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症例
胃切Billroth I法後に合併せる空腸重積症
著者: 赤沢喜三郎12 佐藤紋郎1 村松正久1 檜山嘉也1 本山博信3
所属機関: 1江東病院外科 2順天堂大学 3順天堂大学外科
ページ範囲:P.1459 - P.1464
文献購入ページに移動今日では手術手技ならびに化学療法の進歩にともなつて,胃切除術は安全に,かつ広範に行なわれており,治療成績は向上している,術後の腸閉塞などは少なくなつたが,稀な合併症として周切除後の腸重積が知られている.
1914年Bozziが胃切除後に発生した空腸胃内腸重積を最初に報告しているが1),本邦では1931年(昭和6年),小柳2)の発表が第1例であり,胃切除術の増加とともにこの合併症も増え,現在までに74例の症例が報告されている.このうち大部分は胃切Billroth II法後に起こつており,胃切Billroth I法後に合併しているのは2例のみである.非常に稀な例として第3例目の臨床経験を報告し,多少の文献的考察をつけ加えた.
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