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文献詳細

雑誌文献

臨床外科21巻12号

1966年12月発行

文献概要

特集 虫垂炎—その困難な問題点

他の疾患と誤診して開腹した場合の処置はどうすべきか

著者: 長洲光太郎1

所属機関: 1関東逓信病院第1外科

ページ範囲:P.1645 - P.1648

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I.急性虫垂炎の誤診の考え方
 急性虫垂炎と思つて手術したら,他の疾患であつたという場合と,他の疾患と思つて開腹したら急性虫垂炎であつたという場合の2種の誤診がある、後者の方は対策も簡単であるし,元来虫垂炎が外科手術の1/3も占めるほど頻度の高い疾患であるから,あまり問題になることはないであろう,もつとも虫垂炎のぼう大な統計報告には私はあまり重要な価値を認めることができない.その理由は虫垂炎という診断があまりに安易に下されている上に,カタール性虫垂炎のごときあいまいな病型が広く採用されているし,慢性虫垂炎に至つてはほとんど確実な概念さえなしに診断され手術をうけているなどが主なる理由である.
 私自身今日カタール性虫垂炎の名称は採用しない.臨床的にも,病理組織学的にもカタール性虫垂炎の存在は明らかでないし,カタールから化膿性・壊疽性虫垂炎に進展する証拠は全くない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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