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文献詳細

雑誌文献

臨床外科21巻3号

1966年03月発行

外科の焦点

癌再発転移の診断法について(癌自家移植の臨床的意義)

著者: 河村謙二1 四方統男1

所属機関: 1京都府立医科大学第二外科教室

ページ範囲:P.295 - P.298

文献概要

はじめに
 癌の唯一の根本治療法として,幾多の手術々式が考案され,早期診断と相俟つて,手術成績も改善されてはきている.しかしながら,今日なお根治手術に加え,放射線療法,あるいは化学療法とでき得るかぎりの処置をほどこしても,患者の大部分が,いわゆる再発で死亡しているのが事実である.
 このように癌の外科的治療が,術後再発のために,その成績向上が,阻ばまれているとすれば,再発癌の早期発見,早期手術こそ必要であると思われる.すなわち,再発癌の診断は,初回手術時の癌進展状況,組織像の示す悪性度,腫瘍の種類,あるいは補助療法等によりそれぞれ異なつてくるので,原発癌にも増して困難なのである.数年前に,Wangensteen等によつて癌の治療成績向上の目的で根治手術のできたものは,術後灯発症状がなくても,ある期間を置いて積極的に開腹を行ない,再発所見のあつたものの内13.7%が救助し得たということを述べ,いわゆるsecond look ope—rationの実施を提唱していることは,すでにご存知のことと思う.すなわち,癌根治性の盲点ともいうべき再発癌に対する状況を,新鮮な状態において究めるためと,これに加えて,再発の状態から,不適応,不十分であつた原発癌の手術療法を是正し得る可能性があるということである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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