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論説
同種移植免疫に関するDiffusion Chamberを用いての研究
著者: 藤本吉秀1
所属機関: 1東京大学医学部第2外科 2
ページ範囲:P.299 - P.314
文献購入ページに移動はじめに
近年同種組織の移植がさかんに研究されるようになり,免疫学の新しい一分野として幾多の新知見が得られている.免疫学的寛容を得る方法も小動物で成功し,全身X線照射や代謝拮抗剤を投与して移植免疫反応を抑制する方法は臨床面にも応用され,腎移植ではかなりの成功例を得る所まできた.しかし現在用いられている免疫反応抑制方法には,まだ副作用が少なからずあり,移植した同種組織のRejectionを防ぐために十分の処置を行なうと,そのX線照射や化学薬剤の毒性のためにRecipientが死亡することさえある.
そこで移植免疫の機序をさらに解明し,副作用のより少ない反応抑制方法が見出されれば,その有用性は高い.免疫学的手段による寛容性の獲得が今日引続き研究の対象にされているのも日的の一つはそこにあり,たとえそれ自体によつて強力な寛容性が得られなくても,免疫反応抑制剤と協調的に作用させることにより,同種組織移植を一層安全に行ないうるものにする可能性が考えられる.
近年同種組織の移植がさかんに研究されるようになり,免疫学の新しい一分野として幾多の新知見が得られている.免疫学的寛容を得る方法も小動物で成功し,全身X線照射や代謝拮抗剤を投与して移植免疫反応を抑制する方法は臨床面にも応用され,腎移植ではかなりの成功例を得る所まできた.しかし現在用いられている免疫反応抑制方法には,まだ副作用が少なからずあり,移植した同種組織のRejectionを防ぐために十分の処置を行なうと,そのX線照射や化学薬剤の毒性のためにRecipientが死亡することさえある.
そこで移植免疫の機序をさらに解明し,副作用のより少ない反応抑制方法が見出されれば,その有用性は高い.免疫学的手段による寛容性の獲得が今日引続き研究の対象にされているのも日的の一つはそこにあり,たとえそれ自体によつて強力な寛容性が得られなくても,免疫反応抑制剤と協調的に作用させることにより,同種組織移植を一層安全に行ないうるものにする可能性が考えられる.
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