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文献詳細

雑誌文献

臨床外科21巻3号

1966年03月発行

新しい検査法・3

ファイバースコープについて

著者: 長洲光太郎1 中村孝哉1

所属機関: 1関東逓信病院外科

ページ範囲:P.374 - P.376

文献概要

はじめに
 ご承知のように,Kussmaulが1868年硬性管を胃に挿入して,胃内視鏡のいとぐちをつけて以来,画期的な発展はWolff-Schindler(1922)の軟性胃鏡の開発で,戦後わが国においては優秀な光学技術をもととしたガストロカメラ(オリンパス)の開発が行なわれ,明瞭な胃粘膜面のカラー写真がとれるようになり,今日ではガストロカメラが目本全国至るところで使用され流行している.しかしガストロカメラだけで十分かというとやはり直接視したいという考えをすてることはできない.曲つた管の内部を見るという方法は工業上の必要があつて,ガラス線維を束ねたものを用いて実用に供されていたが,Hirschowitzはこれを応用したファイバーガストロスコープを発表し1962年にはすぐ数台が日本にも輸入された,HirschowitzのGastroduodenal Fiberscopeは15万本のガラス線維を適当に束ねたもので,全長にわたつて適度の柔軟性があり,像は鮮明で,それまでのレンズ系を用いた軟式胃鏡より取扱いはずつと楽であり,かつ適度のかたさがあるので視野の選択操作が可能で,柔らかいことにばかり努力しすぎたものたとえばガストロカメラより盲点は少ないのがまた特徴である.
 こうしてはじめて外科医の要求にこたえる胃内視鏡が提供されたことになつた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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