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文献詳細

雑誌文献

臨床外科21巻3号

1966年03月発行

文献概要

講座

外科領域における水分電解質の問題(3)

著者: 高藤歳夫1

所属機関: 1国立相模原病院外科

ページ範囲:P.397 - P.400

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 大きな外科侵襲の後に,体液に変化の起ることは前稿に述べたとおりでありますが,これと関連して,電解質方画ではほとんど常に低Na血症が認められます.その機序については,ArielとかMooreらによつていろいろと考察が行なわれていますが,結局この手術直後の電解質の低い値は,輸液に続発して細胞外液が稀釈されること,および侵襲によつて細胞膜の機能に変化をきたし細胞内の水分および電解質を細胞外液中に通過せしめ,細胞外のNaを種々の体組織の細胞内へ移行せしめることによるのであろう,と考えられております.
 これまでに述べてきた水分電解質に関する種々のことがらは,実地臨床的には結局,加療としての輸液の問題に連なるものであります.そこで,輸液に関連のあるこれらの事項について,以下触れてみたいと思います.およそ輸液の施行に当つて,その全体を把握するためにはつぎのような3つの知見が必要とされるのであります.すなわら,細胞外液の濃度と,平衡の検索,および全身体の組成であります.手術患者がその臨床検査成績においても術前良好な状態にあり,あるいは加療によつて十分に補正されている場合には,術後投与すべき輸液の質と量とは,喪失されたものを補うということで、水分および電解質に関するかぎり等しい量でよいわけであります.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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