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薬剤の知識
降圧剤の使い方(1)
著者: 新城之介1
所属機関: 1日本医科大学内科
ページ範囲:P.557 - P.559
文献購入ページに移動はじめに
降圧剤による治療は,高血圧治療の中心をなすもので,その使い方の適・不適は高血圧症の予後に影響するところがきわめて大きい.元来,降圧剤使用の目的は,血圧を持続的に下げることによつて,高血圧症の進展を防ぎ,続発して起こる脳,心臓,腎臓などの重要臓器の血管障害を予防することにあり,高血圧の原因療法を目的とするものでない.
高血圧は種々なる原因によつて起こるものであるが,従来はその殆んど90%は原因がなお詳らかでない本態性高血圧とされていた.しかし本態性と考えられていた高血圧症の中にも,近年慢性腎盂腎炎によるもの,また腎動脈の狭窄あるいは閉塞を原因とする腎血管性高血圧の存在が少なくないことが注目され,腎動脈異常によるものはクローム親和細胞腫と共に,いわゆる偏腎性高血圧として,手術的に原因療法が可能な場合もある.かかる患者に慢然と降圧剤による治療を続けていてはならない.
降圧剤による治療は,高血圧治療の中心をなすもので,その使い方の適・不適は高血圧症の予後に影響するところがきわめて大きい.元来,降圧剤使用の目的は,血圧を持続的に下げることによつて,高血圧症の進展を防ぎ,続発して起こる脳,心臓,腎臓などの重要臓器の血管障害を予防することにあり,高血圧の原因療法を目的とするものでない.
高血圧は種々なる原因によつて起こるものであるが,従来はその殆んど90%は原因がなお詳らかでない本態性高血圧とされていた.しかし本態性と考えられていた高血圧症の中にも,近年慢性腎盂腎炎によるもの,また腎動脈の狭窄あるいは閉塞を原因とする腎血管性高血圧の存在が少なくないことが注目され,腎動脈異常によるものはクローム親和細胞腫と共に,いわゆる偏腎性高血圧として,手術的に原因療法が可能な場合もある.かかる患者に慢然と降圧剤による治療を続けていてはならない.
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