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文献詳細

雑誌文献

臨床外科21巻5号

1966年05月発行

特集 癌患者の栄養問題

蛋白投与と転移形成

著者: 山本政勝1

所属機関: 1関西医科大学外科学教室

ページ範囲:P.607 - P.612

文献概要

はじめに
 癌と栄養との関係については,多数の報告に接するが,なおその全貌が釈明されていない.就中,転移と栄養との関係についての知見は乏しい.そこでわれわれは蛋白投与と転移との関係について検討をすすめてきた.本来,転移と栄養との関係を解明するには,動物の自然発生癌によらねば,その真相を究明することはできない.とくに術後栄養と転移との関係を明らかにするには,自然発生動物癌の同一時期のものを選び,しかも均一な手術侵襲を加える心要性があるなど,各種の制約が加わるため,甚だ困難なものとなる.一方臨床家の関心事は消化器系の癌患者の術後栄養と転移との問題であろう.しかし,前述の諸条件を完全に充すことが不可能な現段階では,移植癌を用いて,可及的人類癌類似の状態下で検討することも止むを得まいと考え,以下のModel実験を行なつた.
 しかし移植癌による実験では,腫瘍がつくまでの時期と,これにつぐ増殖期とでは,栄養の影響も異なり,ことに増殖を開始してからでは,結局身体全般の発育状態に左右される可能性もあり,判然たる結果を把握し難い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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