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文献詳細

雑誌文献

臨床外科21巻6号

1966年06月発行

簡易検査法

血液検査(1)形態学

著者: 野村武夫1

所属機関: 1東京大学中央診療部

ページ範囲:P.789 - P.792

文献概要

 臨床血液検査室にとつて血液の形態学的検査項目の中で最少限必要なものには,   血色素定量   赤血球算定   ヘマトクリット値測定   網赤血球算定   血小板算定   白血球算定   薄層塗抹標本の検索があげられる.これらの検査に際しては,たとえば尿検査などで最近広く使用されるテストペーパーによる簡易検査法に比すべき方法はない.もつとも,血色素定量には古くから濾紙法があり,特定の処理を施した濾紙に小血滴を吸わせて,その色調を標準色と肉眼的に比較して濃度を知る方法が種々に工夫され,現在でも一部で使用されているが,著者の経験した範囲では,測定誤差が非常に大きくて実用には供しえないようである.簡易検査法に必要な条件としては,実施に当たり複雑な器械・器具を必要とせず,普通の方法に比し手技が簡便で不慣れな術者にでも容易に施行できることがあげられるわけであるが,いかに簡易な方法であつても測定値が不正確であつたり,再現性が悪くてはならないことはもちろんいうまでもない.血液形態学的検査にはこのような条件を充たす簡易法と称しうるものはないといつてよく,従来の検査書に記載されているそれぞれの検査法にしたがつて検査を進めねばならない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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