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文献詳細

雑誌文献

臨床外科21巻6号

1966年06月発行

他科の知識

内分泌疾患の内科的治療(2)

著者: 鳥飼龍生1

所属機関: 1東北大学医学部烏飼内科

ページ範囲:P.839 - P.843

文献概要

I.副腎皮質疾患(つづき)
 3.原発性Aldosterone症
 本症はその大部分が副腎皮質の腺腫に起因するものであるから,治療はもつぱら腫瘍摘出による.ただ,脳出血や心疾患を合併した場合には,しばらく内科的治療を続けることもありうる.すなわち安静,食塩制限,降圧剤投与などを行なう,この場合,thiazideやDiamoxの投与は本症の低K血を一層著明にするから,これに対しては,血清Kを測定しながら1日4〜12gの塩化カリを経口的に投与する.
 Spironolactone (Aldactone)やtriamtereneのような抗aldosterone剤は,aldosteroneに拮抗的に作用し,血圧を下げK喪失を防ぐ効果があるので,本症の内科的治療には適した薬物と考えられる.われわれ1)が本症にAldactone (SC−9420)を1日300〜600mg投与した場合の効果を図示した(第1図).Na摂取量1日170mEqの場合には単独投与では効果がなかつたが,Naを充分に制限した場合,あるいはthiazideと併用した場合には,血圧低下,電解質正常化などの効果がみられた.しかし本剤による治療も対症療法に過ぎず,かつ長期治療には種々の困難もあるので,現在のところ術前準備に行なわれるだけである2).すなわち本症は,できる限り早く手術を行なうべきである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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