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文献詳細

雑誌文献

臨床外科21巻7号

1966年07月発行

外科の焦点

閉塞性血栓血管炎の臨床

著者: 三島好雄1

所属機関: 1東京大学医学部石川外科教室

ページ範囲:P.875 - P.881

文献概要

はじめに
 閉塞性血栓血管炎(Thromboangiitis Obliterans,以下TAOと略す)は通常四肢主幹動脈をおかし青壮年男子ことに20〜40歳台に多く,病理学的には血管全層炎であつて,時に遊走性静脈炎が動脈閉塞に先駆または併発するとされている.
 1879年von Winiwarter1)は57歳男子の慢性下肢動脈閉塞症患者の切断肢で動脈壁の肥厚と内腔の狭窄をみとめ,Endarteriitis und Endophlebitismit Gangrän des Fussesと記載した,その後も恐らくTAOと思われる症例が1例報告として散見されたが,1908年に到つてBuerger2)が11例の切断肢について血栓形成を伴なう血管の急性炎症をみ,さらに1909年切断下肢19と切除静脈6について動脈壁の炎性変化の他に逍遙性静脈炎と主幹静脈の血栓性静脈炎をみとめて閉塞性血栓血管炎と名づけ,その後広く臨床的に用いられるようになつた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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