文献詳細
カンファレンス
肺癌
著者: 小島憲1 平福一郎1 林豁3 若山晃4 福田圀如5 小沢啓邦6 上野幸久7 大出良平8 太田怜7 堀之内宏太9 原田敏雄10 森永武志7 河村久7 大橋成一1 本橋均1 大宮善吉2
所属機関: 1自衛隊中央病院 2関東逓信病院第1内科 3自衛隊中央病院診療1部 4自衛隊中央病院診療3部 5自衛隊中央病院呼吸器 6自衛隊中央病院臨床検査課 7自衛隊中央病院内科 8自衛隊中央病院放射線科 9自衛隊中央病院脳神経外科 10自衛隊中央病院神経科
ページ範囲:P.977 - P.985
文献概要
河村(担当医)患者は61歳の男子,昭和40年2月18日に呼吸困難,チアノーゼ,鼓状指を主訴として入院.家族歴では父が腎疾患で死亡.既往歴に30年前に黄疸に罹つています.現病歴は約10年前から冬になると感冒に罹り易く,絶えず咳をしていたが,増悪する傾向はなかつたので放置していました.1年前の冬、長い石段を昇つている途中,急に息苦しくなり,約5分間うづくまつていてよくなつたが,その後ときに激動に際し発作性に呼吸困難が起るようになつた.入院5ヵ月前に近くの医者を受診.気管支喘息といわれて,アロテックなどの服用をつづけた.約1ヵ月前から37.5℃前後の微熱と右胸部の圧迫感が生じ,軽い体動でも息苦しくなるので入院しました.また1年くらい前から手指の膨大に気付きまして,最近チアノーゼが強くなつたと言つております.咳は多いですが,喀痰は少なく,出ても白色漿液性で,血痰はないそうです.
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