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文献詳細

雑誌文献

臨床外科22巻1号

1967年01月発行

文献概要

症例検討会

胆石症を疑つた胆嚢癌

著者: 中山恒明1 織畑秀夫1 太田八重子1 羽生富士夫1 岩塚辿雄1 遠藤光夫1 小林誠一郎1 山口慶三1 荒木仲2 沢井明子2

所属機関: 1東京女子医科大学消化器病センター外科 2東京女子医科大学消化器病センター三神内科

ページ範囲:P.112 - P.115

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 荒木 最初の例は,黄疸と発熱と右季肋部に抵抗がある患者です.普通そういう患者を見たときに,胆石あるいは胆のう炎,また40歳を過ぎていると,なにか胆管を圧迫するような癌でもできているのではないか,ということを疑うわけです.しかも鬱滞性黄疸であれば,ますますその疑いが濃厚になるということなんですが,私達もそういうふうに診断し開腹手術の結果,胆石と一緒に胆嚢癌がありました。さらにまことに複雑といいますか.胆石と癌あるのはそれほど珍しいことではないと思いますが,そこに細菌がでて,しかもチフス菌だったという珍しい症例ですので.手術はすでに終了していますが.ここに報告して,臨床経過を振り返つて参考にしたいと思います.先ず受持の沢井先生から症例について報告願います.
 沢井 患者は64歳の男子で,主訴は黄疸です.昭和41年8月初めごろより食欲不振となり,ときどき右下腹部痛があり,同年8月25日に37.9℃の発熱がありました.尿意頻数を伴うので近医を訪れ、腎盂炎の診断のもとに化学療法をうけ,尿意頻数は消失したが,微熱が持続し,黄疸および右季肋部痛が出現し、黄疸が増強するために41年9月2日当科外来を受診し,同日入院しました.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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