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文献詳細

雑誌文献

臨床外科22巻1号

1967年01月発行

文献概要

症例

巨大な両側慢性硬膜外血腫の1例

著者: 泉周雄1 渡辺正幸1 玉城通弘1

所属機関: 1国立東京第2病院脳神経外科

ページ範囲:P.121 - P.123

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はじめに
 頭部外傷に基づく硬膜外血腫は,主に中硬膜動脈破綻によるため,ほとんどすべての例が急性に発生し,亜急性ないし慢性頭蓋内血腫は主として硬膜下血腫である.出血源が静脈性または小動脈の場合,稀に亜急性ないし慢性硬膜外血腫を作成するが,これも後頭蓋窩に起こることが多い.したがつて大脳半球部に発生する慢性硬膜外血腫は,きわめて珍しいものと考えられる.
 われわれは最近両側性の慢性硬膜外血腫の1例を経験したが,その1側の血腫量350ccという巨大なものであつた.この症例は幼児期に脳性麻痺に罹患し,以後精薄状態であつて,内水頭症を合併していたため,頭も大きく,それがこのような巨大な血腫を作つた一因と推察されるが,それにしても,きわめて稀な症例と考えられるのでここに報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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