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文献詳細

雑誌文献

臨床外科22巻10号

1967年10月発行

文献概要

外科の焦点

補助循環—その原理と臨床応用

著者: 阿久根淳1

所属機関: 1名古屋大学星川外科

ページ範囲:P.1347 - P.1355

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はじめに
 薬物的療法にはもはや全く反応を示さないような重症心不全症に対し,なんらかの方法でその不全に陥つた心機能を積極的に補助あるいは代行することにより,適正な体循環を維持して生命の危機を切り抜ける一方,その不全心に回復の機会を与えようとする努力は,今日まで数多くの研究者によつてなされてきたところである.
 このような循環不全に対する治療法には,ちようど呼吸不全の対策として補助呼吸(assisted respiration)あるいは調節呼吸(controlled respira-tion)が考慮されるように,補助循環(assisted circulation)または調節循環(controlled circulation)なる名称を与えるのが妥当かと考えられる.事実,欧米においては現在まで各研究者によつて種々の命名が行なわれてきたが,次第に"assisted circulation"なる名称に統一される機運にあるもののようである.わが国においても数年前ごろから補助循環という用語が徐々に採用され始め,今日ではさして目新しいものではなくなつてきた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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