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文献詳細

雑誌文献

臨床外科22巻10号

1967年10月発行

特集 イレウスの治療—その困難な問題点

胃切除後の早期イレウスの診断はどうするか

著者: 西村正也1 古沢悌二1

所属機関: 1九州大学医学部第1外科

ページ範囲:P.1384 - P.1386

文献概要

はじめに
 胃切除後のイレウスは,他の腹部手術の術後イレウスと同様に,術後数日以内に発症するものから,かなりの長年月を経てはじめて起こつてくるものもある.ここでは,特に胃切除術後の早期イレウスの診断に焦点をあてて,これをいかに取扱うべきかを述べてみたいとおもう.
 はじめに,早期イレウスを術後数日中より1ないし2ヵ月以内(原則として胃切除術のための入院期間内)に発症するものとして,最近の教室例(昭和40年1月より昭和41年12月までの2年間)でその発生頻度をみてみると,第1表のごとくなる.胃切除総数220例中6例(2.7%)の発生があり,うち4例は手術的療法を行なつている.この頻度よりみても.胃切除後早期イレウスはあまり多いものとはいえず,これは他の報告1)とも一致する.なお,こつ表の胃切除例には同時に虫垂切除術,胆嚢摘出術,脾摘出術,結腸部分切除術,膵部分切除術,肝部分切除術,いろいろの程度のリンパ腺廓清術等を行なつたものをも含む.また,ビルロートⅡ法においては,胃ないし食道空腸吻合術は,その大部分が結腸後法であり,結腸前胃空腸吻合術においては原則としてBraun吻合が行なわれている.早期イレウス発症6例は原疾患別では胃癌術後が5例,十二指腸潰瘍術後が1例,また胃切除術式ではビルロートⅠ法後は1例,ビルロートⅡ法後のものが5例となつている.再開腹に至つた4例はいずれもビルロートⅡ法後発症したものであつた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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