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文献詳細

雑誌文献

臨床外科22巻10号

1967年10月発行

特集 イレウスの治療—その困難な問題点

機械的イレウスで高度の腸麻痺にたちいたつている場合どうするか

著者: 浜口栄祐1

所属機関: 1東京医科歯科大学

ページ範囲:P.1390 - P.1392

文献概要

Ⅰ.機械的イレウスにおける腸麻痺の病態生理
 機械的イレウスは単純性イレウス(閉塞性イレウス)と複雑性イレウス(絞扼性イレウス)とに大別できる.それにしたがつて腸麻痺の発生機序が異なつている面がある.
 絞扼性イレウスでは血行障害の発生当初にすでに腸麻痺が認められる.それは腸間膜の絞扼が腸管の血行障害を惹起すると同時に,交感神経を介して反射性に腸運動が抑制されるによるのである.この腸麻痺は絞扼された腸係蹄ばかりでなく,それより口側の腸係蹄にも起こるものである,絞扼部の腸係蹄の蠕動はその後も回復はしないし,時間の経過とともに腸管腔内にはガスと液体とが増加し,いわゆる局所性鼓腸の像を呈する.これがv.Wahlの徴候である.もし絞扼が広汎にわたり,かつ強度であれば,絞扼性イレウスの典型的臨床症状を呈し,時を移さず手術を行なわなければ死の転帰をとるから,絞扼発生後の長時間にわたる腸運動の変化は観察できないものである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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