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文献詳細

雑誌文献

臨床外科22巻10号

1967年10月発行

文献概要

論説

心臓手術における自己血輸血

著者: 砂田輝武1 寺本滋1 志水浩1 河合進1 大本武千代1 妹尾嘉昌1 平井淳一1 佐藤温三1

所属機関: 1岡山大学医学部砂田外科教室

ページ範囲:P.1415 - P.1419

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はじめに
 体腔内に出血した自己の血液を輸血に用いるという意味の自己血輸血の試みは,1914年Thies1)によりはじめて報告され,その後子宮外妊娠,肝脾の破裂などのさい救急的に行なわれてきたが,銀行血が容易に入手できるようになつた近年はまれに行なわれているにすぎない.
 しかし,1962年Milles, Langston2))3)らは肺結核手術における自己血輸血の可能性について大規模な検討を行ない,術前1〜2パイントの採血なら高令層でも安全で,かつ十分手術に耐えることを実証した.この同種輸血による種々の障害を防止することを目的とした自己血輸血は,本邦でも吉野4),松井5)らにより肺手術で追試され好結果が報告されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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