icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科22巻11号

1967年11月発行

文献概要

特集 肝腫瘍外科の課題

肝区域の概念

著者: 奥平雅彦12

所属機関: 1東京都監察医務院 2東京大学医学部病理学教室

ページ範囲:P.1500 - P.1505

文献購入ページに移動
はじめに
 生物体の形状(Form),大きさ(Size),構造(Structure)および各部位における諸臓器相互の位置的関係を研究する解剖学が,記載方法によつて系統解剖学(Systematic anatomy)と局所解剖学(Topographic anatomy)に分けられ,後者は外科における実地上の要求による研究に基づいて外科解剖学(Surgical anatomy)として発展してきていることは周知の通りである.
 区域(Segment)とは「自然にできている区切りとか区分」という意味であるが,現在においても,臓器全体として摘出する手術が施行されている腎,脾,睾丸,卵巣および副腎には区域の概念が出されていないし,部分切除術において系統解剖学的な記載がそのまま適用されている臓器として,膵,甲状腺,子宮,前立腺などをあげることができよう.一方,臓器の部位や区分を決めると云つても大脳におけるように皮質の層構造(これにも細胞構築によるもの,髄鞘構造によるもの,血管構築によるものなどいろいろな立場がある)や局在機能により,手術的見地以外の決め方もある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?