文献詳細
特集 肝腫瘍外科の課題
肝の良性腫瘍—とくに肝嚢胞を中心として
著者: 佐藤寿雄1 斉藤洋一1 山内英生1 渡部健一1
所属機関: 1東北大学医学部槇外科教室
ページ範囲:P.1559 - P.1567
文献概要
最近,外科的肝疾患の診断法として腹腔鏡検査,肝スキヤンニングあるいは諸種の血管撮影法などが取り上げられ,また治療の面でも肝広汎切除術が比較的安全に行なわれるようになつた.そのようなことから,肝腫瘍,とくに肝癌の外科は一段と脚光をあびるにいたつたが,肝の良性腫瘍に関してはまれな疾患に属するためか一般の関心を得るにいたつていない.教室ではさきに槇ら1)が肝嚢胞の臨床について報告したが,その後選択的腹腔動脈撮影法の併用など,診断法の進歩もみられ,また症例も数例加えることができたので,それらを一括して肝の良性腫瘍,とくに肝嚢胞を中心にして概説してみたいと思う.
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