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特集 鞭打ち損傷の問題点
いわゆる鞭打ち損傷の発生機序ならびに損傷機転
著者: 池田亀夫1 小林利昭1
所属機関: 1慶応義塾大学医学部整形外科学教室
ページ範囲:P.1655 - P.1659
文献購入ページに移動はじめに
交通災害は近年急激に増加の一途をたどつており,なかんずくいわゆる鞭打ち損傷は飛躍的に増加し,大きくクローズアップされてきた.いわゆる鞭打ち損傷の症状は多彩を極め,その正確な病態把握はしばしば困難であり,ために後遺症などいろいろな複雑な社会問題を惹起している.この発生機序および損傷機転を把握することは病態の解明,適正な治療法の確立に必須の重要事であり,焦眉の急を要する課題である.鞭打ち損傷の発生機序および損傷機転を知ることは臨床上容易なことではなく,不可能に近いが,動物実験による結果は,問題の解明にある程度の資料を与えてくれるものである.
発生機序を解明しようとする試みは,かなり古くから行なわれているが,それらは欧米,本邦ともに実験的に動物あるいはdummy,を使つてのものか,臨床的にその損傷型式から,逆に損傷機序を論じようとする方法の3通りのものである.
交通災害は近年急激に増加の一途をたどつており,なかんずくいわゆる鞭打ち損傷は飛躍的に増加し,大きくクローズアップされてきた.いわゆる鞭打ち損傷の症状は多彩を極め,その正確な病態把握はしばしば困難であり,ために後遺症などいろいろな複雑な社会問題を惹起している.この発生機序および損傷機転を把握することは病態の解明,適正な治療法の確立に必須の重要事であり,焦眉の急を要する課題である.鞭打ち損傷の発生機序および損傷機転を知ることは臨床上容易なことではなく,不可能に近いが,動物実験による結果は,問題の解明にある程度の資料を与えてくれるものである.
発生機序を解明しようとする試みは,かなり古くから行なわれているが,それらは欧米,本邦ともに実験的に動物あるいはdummy,を使つてのものか,臨床的にその損傷型式から,逆に損傷機序を論じようとする方法の3通りのものである.
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