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特集 鞭打ち損傷の問題点
鞭打ち損傷—特に慢性期の治療
著者: 津山直一1 林浩一郎2 竹広舜2 都築暢之3
所属機関: 1東京大学整形外科 2東京大学整形外科教室 3関東労災病院整形外科
ページ範囲:P.1677 - P.1681
文献購入ページに移動鞭打ち損傷の慢性期の治療を検討するにはまず,この損傷の慢性期とはどういう内容のものであるかを分析することから始める必要がある.結核の慢性期などとちがつて,鞭打ち損傷の慢性期をどう考え定義するかはむずかしい.慢性期という表現が妥当かどうかということも問題であるが,それはこの場合おくとして,ここでは主に受傷後3ヵ月以上もたつて相変わらず同じような愁訴を訴えて医師を悩ます,いわゆる難治症例の治療を中心として考えてみたい.そこで難治症例とはどういう症例で何故に難治なのかがまず問題となろう.
われわれが約400例の患者から154名を抽出し調べたところ,受傷後6ヵ月以上たつてなお頑固な症状を訴える患者はこのうち53例であつた.これを詳細に検討した結果では,次のごとく3つの項目に分類して考えていくことが妥当だと思われる.
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