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文献詳細

雑誌文献

臨床外科22巻12号

1967年12月発行

文献概要

特集 鞭打ち損傷の問題点

鞭打ち損傷—脳神経外科の立場から

著者: 大野恒男1

所属機関: 1関東労災病院脳神経外科

ページ範囲:P.1691 - P.1698

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はじめに
 鞭打ち損傷という語が使用されるようになつて久しいが,あまりに一般的になり過ぎて,一般外科医が,墜落・転倒外傷などのさいの頸椎捻挫や挫傷にまで「鞭打ち症」と診断名をつけているのをみる.これははなはだ大きな混乱を生むものとなり,ある外傷で頸部に痛みがあるとそれは,かの恐しい「鞭打ち症」という病気になるかも知れないというわけで,多くの世人をいたずらに恐怖にからせるもとともなつているようである.
 鞭打ち損傷の定義や受傷機転については,別に適当な担当者があるようなので詳しくはふれないが,簡単にR.Cailliet2)の図を借りて説明しておく.第1,2図のようにwhiplash injuryというのは,自動車での追突または衝突事故のさい,頭部が慣性によつて躯幹に対して相対的に急激に動くことによる頸椎の前・後屈損傷に限つて使用されねばならない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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