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文献詳細

雑誌文献

臨床外科22巻2号

1967年02月発行

論説

前斜角筋症候群

著者: 大河原重久1

所属機関: 1愛知県ガンセンター病院

ページ範囲:P.239 - P.245

文献概要

はじめに
 前斜角筋症候群は過度に緊張した前斜角筋,あるいは肥厚した前斜角筋と中斜角筋により,腕神経叢,および鎖骨下動脈が圧迫されて生ずる一群の症候群に対する一般名である.この他に,同じ圧迫症候群に第7頸椎を主とする下部頸椎横突起の異常延長により生ずる,頸肋骨症候群,および鎖骨と第1肋骨との間隙狭小により圧迫症候群を示す肋鎖症候群がある.これらいわゆるThoracic inletの左右非対称性が存すること多く,この非対称性は頸肋骨に非対称の荷重を加えて発症させ,また肋骨鎖骨間隙の異常狭小を,片側にさらに増加させて発症したり,また脊椎に異常廻転を与えて斜角筋群に異常緊張を生じさせて,前斜角筋症候群を発生する大きな因子となる.このように,これらの症候群は互いに深い因果関係を有していると考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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