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文献詳細

雑誌文献

臨床外科22巻3号

1967年03月発行

文献概要

臨床メモ

外科臨床に関連ある2,3の産婦人科知識

著者: 一宮勝也1

所属機関: 1東歯医大産婦人科

ページ範囲:P.377 - P.377

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 産婦人科では,"女と見たら妊娠と考えよ"といわれるほど,外来を訪れる婦人と妊娠とは切り離せないものであり,しつこい程噪しく問診するように訓練されている.それでも産婦人科専門医でも問診でだまされることがあるから,これを聞きだすのには,やさしく理解ある態度で患者に接する必要があると考える.また患者は嘘をついていない場合もあるので,妊娠初期には次回月経予定日頃に少量の月経様出血があることがあり,これを正常月経と思い込んでいるものも,かなりいるものであるから,量についても,正常と変りないか,少なくはならなかつたか,やはり噪しく問診しないと間違つた判断をすることがある.このさい乳房の張り工合も問診すると参考になる.現在では手軽な血清学的妊娠診断法が販売されているから,疑わしい時には尿を採取して検査すれば安全である.
 腹痛その他で産婦人科外の科を訪れる婦人で自分から無月経を申し出ることはまずないし,医師の方でも特に患者に月経状態まで問診する者も少ないので,時に子宮外妊娠をみ落して重大な結果を招くこともあり,外科系統では開腹し,やつと一命を取止めたということもしばしば耳にするところである.無月経→妊娠→下腹痛(時に軽度の性器出血)→外妊,このことを頭の片隔において載ければよい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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