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文献詳細

雑誌文献

臨床外科22巻4号

1967年04月発行

外科の焦点

最近の術前・術後放射線療法について

著者: 梅垣洋一郎1 御厨修一1

所属機関: 1国立がんセンター放射線科

ページ範囲:P.459 - P.466

文献概要

はじあに
 癌に対する知識が向上した今日でも,病院を訪ずれる患者は依然としてかなり進行した症例が多い.癌の治療法は進歩してきてはいるが,手術または放射線治療の単独療法では,進行癌に対する治療としては限界を感じさせられる.ここに,手術と放射線治療,あるいはその他のものとの併用療法が,今日の脚光を浴びてきた理由があるわけである.
 癌がまだ小さく,発生部位に限局している時期には,切除または放射線治療でよい成績を挙げることができる.けれども,ある程度以上に進展すると,広汎な切除も,また大量の放射線照射も,これを治すことができない.この時期では,もはや個体の防衛ないしは免疫の機能が低下してしまうように思われる.将来の癌治療の焦点は,おそらく免疫機転の解明に集中せられるとは思うが,今,さし当つての現実の役には立たない.現在の段階では,今一押して治しうる癌を,現在使える方法をできるだけ上手に使いわけて治療たようということになる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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