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文献概要
特集 進行性消化器癌の外科
胃癌拡大根治手術の理論と実際
著者: 陣内伝之助1
所属機関: 1大阪大学医学部
ページ範囲:P.467 - P.472
文献購入ページに移動まえがき
早期診断,早期治療がかなり普及してきた今日でも,なお早期胃癌の占める比率は,胃切除を受けた胃癌症例のうちでも10%内外を出ず,私どもが日常遭遇する大多数の胃癌症例は,すでにある程度進展したいわゆる進行癌である.
早期癌に対する胃切除症例の5年生存率が80〜90%であるのに対して,進行癌のそれは,非治癒手術と姑息手術とを含めると20〜30%を出ない現況にある.すなわち,胃癌の手術成績を良好ならしめるためには,早期発見,早期手術に頼るのがもつとも安易な近道であることはもちろんだが,しかしこれは外科以前の問題,すなわち啓蒙運動による定期検診の励行と技術練磨による的確な診断さらに患者をして手術に踏み切らせる熱意と説得技術の問題であつて,外科医のなすべき領域ではない.これに対して,進行癌の手術成績を向上せしめることこそ,私ども外科医に与えられた重大な使命といえよう.
早期診断,早期治療がかなり普及してきた今日でも,なお早期胃癌の占める比率は,胃切除を受けた胃癌症例のうちでも10%内外を出ず,私どもが日常遭遇する大多数の胃癌症例は,すでにある程度進展したいわゆる進行癌である.
早期癌に対する胃切除症例の5年生存率が80〜90%であるのに対して,進行癌のそれは,非治癒手術と姑息手術とを含めると20〜30%を出ない現況にある.すなわち,胃癌の手術成績を良好ならしめるためには,早期発見,早期手術に頼るのがもつとも安易な近道であることはもちろんだが,しかしこれは外科以前の問題,すなわち啓蒙運動による定期検診の励行と技術練磨による的確な診断さらに患者をして手術に踏み切らせる熱意と説得技術の問題であつて,外科医のなすべき領域ではない.これに対して,進行癌の手術成績を向上せしめることこそ,私ども外科医に与えられた重大な使命といえよう.
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