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文献詳細

雑誌文献

臨床外科22巻4号

1967年04月発行

文献概要

論説

小児の腸管重複症について

著者: 綿貫喆1 渡辺暉邦1 高田準三1 篠崎俊一1 塩塚瑛子2

所属機関: 1東京慈恵会医科大学綿貫外科教室 2東京慈恵会医科大学小児科教室

ページ範囲:P.516 - P.520

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はじめに
 消化管に発生する重複症は従来一般にentero-genous cystsの名が主として用いられ,その他enterocystoma,giant diverticulum,ileum duplex,inculusion cysts,など種々の名称があつて混乱していたが,1941年LaddとGross8)がduplicationof the alimentary tract,と名づけて以来,これに従うものが多く,その発生部位によつてdupli-cation of the stomachあるいはduplication of theileumというような呼び方をしているものもある.本邦では本症のうち管状を呈するものを重複腸管,球形のものを腸管嚢腫と呼んでいたが,最近はこれを総称して,腸管重複症あるいは重複腸管の名を用いるようになつた.本症は消化管の先天性奇形のうちでは比較的まれなものであるが,臨床症状が不定で,術前に適確な診断をつけにくいが,新生児,乳児では腸閉塞症の原因になることが多いから,小児外科医にとつては重要な疾患の一つである.
 最近われわれは新生児,乳児にみられた腸管重複症の2例を経験し,これを根治手術で全治させたので,その経過を報告し,本邦の小児例についていささか文献的考察を加えてみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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