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文献詳細

雑誌文献

臨床外科22巻4号

1967年04月発行

文献概要

論説

腰椎麻酔後頭痛症に対する副腎皮質ホルモン療法

著者: 城後昭彦1

所属機関: 1久保田病院外科

ページ範囲:P.527 - P.532

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はじめに
 腰椎麻酔後24時間ないし48時間を経て,特に起立時に自覚する頭痛症は,腰麻続発症のうちもつとも頻度が高いとされ,現在でもなお,意外と多く見られるにかかわらず,その対策はいまだに雑然たる域を脱せず,患者,医家ともに頭を痛める場合が少なくない.
 本症患者は確かに不快な頭痛に悩む暗い表情をしており,洗面所へも行けぬ苦痛を訴え,中でも抜糸後までも愁訴の続く重症例では,もはや手術病症よりも,本症のほうが主病のごとき経過をとるものさえある.さらに虫垂切除術やヘルニヤ根治術などを,さながら小手術として解するに至つた外科学の発達は,一般患者にもその観念を植えつけ,早期離床や早期退院はすでに世の常識とさえなつている今日,腰麻後頭痛のために離床を妨げられ,不快な術後を送らせることは,患者,医家ともに意の満つるところではなく,さらに手術手技拙劣なためと憶測されるに至るや,主治医の面目上,極めて遺憾の限りであり,また本症に凡ゆる加療を施すも,効果確実ならざる場合,体質上の問題だと片附け,時が経てば治ると言いきかせるには,いささか抵抗なからざるをえない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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