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手術手技
胃切除術六題(その5)—胃全摘膵脾肝合併切除
著者: 中山恒明1 織畑秀夫1
所属機関: 1東京女子医科大学消化器病センター
ページ範囲:P.557 - P.561
文献購入ページに移動 今回は前回に引き続いて,胃全摘出術の場合に,膵,脾,肝の合併切除を行うにはどうしたらよいか,ということを図で説明してみたいと思います,この場合は,主として噴門癌ならびに胃上部癌としての,進行した癌ですので,手術それ自身も大きくなります.したがつて,大網膜の剥離の方法とか,十二指腸部の処置というようなことは省略して,肝左葉もしくは膵尾部に癌が直接に浸潤している場合に,肝左葉の全摘出術はどのように行なうか,もしくは膵尾側の切除はどのように行つているか,という点のキー・ポイント,要するにこの手術手技の最も大事な点についてお話いたします.
私(中山)は,約20年前になると思いますが,そのような進んだ,直接他臓器に癌の浸潤のある場合には,普通,手術不能症例と考えて手術は行なつておりませんでした.しかし,その後簡単に,しかも安全に,それらの臓器が切除できる方法を工夫してから,すでに500例以上の症例に対して,そのような合併切除を行なつております.合併切除のほうが,5年遠隔成績はある程度低いにしても,その結果として,およそ10%の患者が5年以上生存しています.これは単純な胃全摘出,もしくは噴門切除が11〜12%の生存率であるのに比較して,低率ですが,もし,これが非切除であれば,2年以上の生存例は1例もありません.
私(中山)は,約20年前になると思いますが,そのような進んだ,直接他臓器に癌の浸潤のある場合には,普通,手術不能症例と考えて手術は行なつておりませんでした.しかし,その後簡単に,しかも安全に,それらの臓器が切除できる方法を工夫してから,すでに500例以上の症例に対して,そのような合併切除を行なつております.合併切除のほうが,5年遠隔成績はある程度低いにしても,その結果として,およそ10%の患者が5年以上生存しています.これは単純な胃全摘出,もしくは噴門切除が11〜12%の生存率であるのに比較して,低率ですが,もし,これが非切除であれば,2年以上の生存例は1例もありません.
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