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文献詳細

雑誌文献

臨床外科22巻5号

1967年05月発行

文献概要

特集 胆石症手術の問題点

良性胆道疾患に対する乳頭部成形術の適応と手技

著者: 槇哲夫1 鈴木範美1 根本猛1 高橋渉1

所属機関: 1東北大学医学部第一外科

ページ範囲:P.639 - P.646

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はじめに
 胆道疾患,なかんずく胆石症においては,ファーター乳頭部の病変ないしは機能異常が,胆嚢自身の病変よりもはるかに重要な役割を演じている場合のあることは,再三指摘してきたところである.とくに,ビリルビン石灰石生成の誘因として乳頭炎Papillitisは局所的因子として大きな意義を有している1)2)
 一般に,乳頭炎が起ると,胆汁うつ滞や胆道系の上行感染とくに大腸菌感染,さらに膵液の逆流などを起し,胆管拡張や結石形成を助長するものである.実際,かつてよく見られた所謂無石胆嚢炎においても,ビリルビン石灰石においても胆管の拡張を伴うことが特徴的であり,その切除乳頭部の組織検査では筋間結合織の増殖,オツジ筋肥大増生等のPapillitis chronicaの像がみられる3)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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