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特集 胆石症手術の問題点
黄疸を伴つた胆石症の手術適応上の問題点
著者: 松倉三郎1 三樹勝1 藤島義一1 内藤委仲1 山井利夫1 飯岡一彦1 遠藤昌夫1 和田治彦1 市川豊1 谷口恒義1 柴長儀1 清水淑文1 寺岡資郎1 箱崎敬1
所属機関: 1日本医科大学松倉外科
ページ範囲:P.651 - P.670
文献購入ページに移動胆石症の手術適応ならびに時期については,諸家によりかなりまちまちの考え方があるようであるが,私どもの教室では臨床上の観点から次のような考え方をしている.すなわち,(1)胆石症の発作がしばしばある場合,(2)黄疸のある場合,(3)胆石発作の既往歴があり,現在急性炎症の症状が著明の場合,(4)胆石症による肝機能,膵機能障害が証明される場合,(5)胆石症による心機能障害の認められる場合,等々を指標として手術を行なつていることは,いままでにもしばしば述べてきた1)2)3).
このうち臨床上最もしばしば遭遇する手術適応は,第1,第2,第3の場合であるが,同一患者でこれらの適応をいくつか同時に兼ね備えている場合も多く,かかる際はその病態生理も複雑で,外科的治療に際しても,時にはなはだ難渋し,根治的手術の果せぬままに患者を不幸の転帰に追いやる外科医の悲哀を感ずることも決して少なくない.特に黄疸を伴つたような場合はなおさらのことその感が強い.
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