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文献詳細

雑誌文献

臨床外科22巻5号

1967年05月発行

文献概要

手術手技

胃切除術六題(その6)—一時的胃瘻造設の方法と効果

著者: 中山恒明1 織畑秀夫1

所属機関: 1東京女子医科大学消化器病センター

ページ範囲:P.715 - P.718

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 私たちが行う胃の手術のうちで,もつとも難しいと思われているのは,胃の噴門部の切除です,この際,私たちは,患者をもつとも安全に経過させて治療するために,一時的な胃瘻造設ということを近年行なつてきて,はなはだ良い結果を得ています.今回は最後の仕上げとして,この方法と効果,そして経過について述べて,この6回にわたる胃手術のコツの図説を終えたいと思います.
 前回は胃全摘出術ならびに他臓器(肝,膵,脾)の合併切除のコツについて説明しましたが,胃全摘出をする場合には非常にしばしば癌が胃全体に進んでいる場合に行なわれるものですが,特に胃小彎部の噴門部寄りに癌が局在していて,噴門側2/3の胃切除をする場合には,残つた幽門側の胃を直接に食道と吻合するのが原則的方法であります.しかし,例えば幽門痙攣というようなことが起こつて,吻合部には狭窄がないにもかかわらず,患者が食事がとれないというようなことが起こります.そこで幽門成形術を行なつてはどうかということになります.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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