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文献詳細

雑誌文献

臨床外科22巻5号

1967年05月発行

文献概要

検査法

経皮経肝胆道造影法

著者: 植草実1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部外科学教室

ページ範囲:P.719 - P.724

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はじめに
 肝外胆管の狭窄,閉塞による黄疸の発現機序には結石性・非結石性,良性・悪性,あるいは管内性・管壁性・管外性などいろいろあり,胆道レントゲン診断法の進歩にもかかわらず,閉塞性黄疸の原因の臨床鑑別は,しばしばまったく困難である.
 閉塞性黄疸は外科療法によらなければ改善できないが,長期にわたる,あるいは高齢の黄疸患者には手術は危険を伴なう.術前に閉塞の性質,部位,拡がりを正確に把握できれば,手術の適応,術式,予後を判定,予測し,手術の安全を期する上に大きな利点がある.しかし経口法,静脈法による間接胆道造影法は黄疸が著しい場合には,胆道系を造影せず,応用できない.したがつて閉塞性黄疸患者の胆道病変の探索は開腹によるか,さらに術中に直接胆道系を造影する方法が行なわれてきた.経皮的に胆嚢を穿刺して胆道系を造影する手段があるが,これには胆汁漏出の懸念が大きく,胆嚢がすでに剔除されている場合,胆?管が閉塞しているときは胆道は造影されないわけである.ここにのべる経皮経肝胆道造影法percutan-eous transhepatic cholangiography(PTC)は,経皮的に拡張した肝内胆管に造影剤を直接注入して胆道系を造影しようとするものであつて,閉塞性黄疸患者の胆道造影に優れた臨床診断手段である.わが国でも最近では広く行なわれていると思われるが,報告は少ない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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