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文献詳細

雑誌文献

臨床外科22巻5号

1967年05月発行

文献概要

症例

肋骨に原発したEwing's tumorの1例

著者: 兼行俊博1 石田益偉1 小原正1 田村陽一1

所属機関: 1山口県立医科大学外科学教室第1講座

ページ範囲:P.729 - P.731

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はじめに
 1924年,James Ewing5)が組織学的に既存の骨肉腫とは異なつた円形細胞肉腫を報告して以来,このEwing'stumorは多数の学者の研究にもかかわらず,いまだその本態は解明されておらず,著者によりまちまちに記載されている現状である.しかし,現在,最も一般的な見解はLichtenstein and Jaffe13)の説で,この腫瘍は骨原性でありながらまつたく骨形成能を欠き,骨髄の細網組織より由来するものといわれ,Oberling and Raileanu16),赤崎4)らも同様な意見である.組織学的には,血管の豊富な間質組織に支持された,核膜の明確な比較的大きな円形の核を有する細胞質に乏しい腫瘍細胞群が,蜂窩状に,あるいは柱状に配列し,この細胞は血管周囲へ密集する傾向があり,Pseudorosetteを形成することがある.骨肉腫のうち,Ewing's tumorの発生頻度はGeschi-ckter and Copeland6)によれば15%であるが,Kolodny11)(7.7%),小島12)(8%),前山14)(3.6%)の報告によれば比較的稀有な疾患といえよう.
 最近,われわれは左第1肋骨に原発したEwing'stumorの1例を経験したので,ここに報告し,大方のご批判を仰ぐ次第である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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