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特集 血管の外科 研究と報告
選択的気管支動脈造影法—とくにその診断的価値について
著者: 田辺達三1 鮫島夏樹1 磯松俊夫1 早坂真一1 土田日出夫1 白石俊之1
所属機関: 1北海道大学医学部杉江外科
ページ範囲:P.843 - P.847
文献購入ページに移動気管支動脈が肺臓の栄養動脈であり,各種の肺疾患に際していろいろの変化を示すことは実験的に,また病理学的に古くから知られてきた2,4,5,6,9,15,16,19,20).しかし,臨床的にこれを実証し,応用する適切な方法が見出されなかったため,この方面の研究は遅れた.1964年Via—monteが選択的気管支動脈カテーテル法および造影法の可能であることを報告するにおよんで,各種肺疾患,特に肺癌の診断,治療の面から注目されるに至った3,7,8,10).
われわれも早期診断上,鑑別診断上の価値,薬剤の局所注入の応用の面から本法の検討を続けているので,ここでは各種肺疾患の鑑別診断の上から若干の成績を紹介してみたい.
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