文献詳細
特集 血管の外科
研究と報告
文献概要
はじめに
近年,わが国でも交通事故の増加により,その原因となる四肢外傷後の静脈血栓が増えたこと,心臓血管外科の発達によりその治療の可能性が増したことなどより,致命的な術後肺塞栓症が注目されてきている.橋本1)の調査によれば,わが国主要大学の1947〜1956年の10年間の報告では,致命的な肺塞栓は2例しかなかつたということである.われわれは最近,相次いで3例の術後肺塞栓症を経験し,これらを通じて肺塞栓症の術後合併症としての重要性を痛感し,またその時撮影しえた心電図と共に多少の文献的考察を加えたので報告する.
近年,わが国でも交通事故の増加により,その原因となる四肢外傷後の静脈血栓が増えたこと,心臓血管外科の発達によりその治療の可能性が増したことなどより,致命的な術後肺塞栓症が注目されてきている.橋本1)の調査によれば,わが国主要大学の1947〜1956年の10年間の報告では,致命的な肺塞栓は2例しかなかつたということである.われわれは最近,相次いで3例の術後肺塞栓症を経験し,これらを通じて肺塞栓症の術後合併症としての重要性を痛感し,またその時撮影しえた心電図と共に多少の文献的考察を加えたので報告する.
掲載誌情報