文献詳細
特集 救急患者の取扱い方
腎不全と水分・電解質アンバランスの処置
著者: 前川正信1 松永武三1 河西宏信1 甲野三郎1 結城清之1 辻田正昭1 井上堯司1 平林国男1 大道彰1 早原信行1 中西純造1
所属機関: 1大阪市立大学医学部泌尿器科教室
ページ範囲:P.967 - P.971
文献概要
腎不全の治療を論ずるには,ここ数年を境として周囲の条件が格段に改善されていることを念頭におかなければならない.すなわち,1)各種電解質溶液の入手が容易になつた,2)腹膜灌流法のための灌流setおよび灌流液の商業製品が出そろつた,3)性能のよい国産の人工腎血液透析装置を利用できるようになつた.等々により,今や慢性腎不全の長期積極的管理すら可能となろうとしている.したがつて,腎不全管理について正確な知識をもち,血液透析および腹膜灌流法を積極的にタイミングよく応用すれば,急性腎不全による死亡を大幅に減少せしめうるであろうし,さらに慢性腎不全に対しても確実に延命効果を期待しえるであろう.
そこで自験例を中心に,腎不全に対する検査の進め方と管理の大要を記載し,さらに主としてdialysis (HaemodialysisおよびPeritoneal dialysis)の効果を施行症例について検討してみよう.
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