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文献詳細

雑誌文献

臨床外科22巻7号

1967年07月発行

特集 救急患者の取扱い方

外科領域における代謝異常の処置

著者: 饗場庄一1

所属機関: 1群馬大学医学部藤森外科

ページ範囲:P.973 - P.978

文献概要

はじめに
 生命現象のすべてがすなわち代謝(新陳代謝)ともいえる.蛋白質,脂質,糖質,無機塩類,水,ビタミンなど栄養素の摂取,吸収,利用,排泄などの全過程が適当にバランスされていることが正常健康状態である.これら栄養素の出納には多数の酵素系,内分泌系,神経系が複雑に関与して呼吸,循環,吸収,排泄などの働きとして円滑に回転されている.代謝の種類は目的によつて多数に分けられるが,綜合すれば分解と合成,すなわち異化作用(catabolism)と同化作用(anabolism)とが代謝のすべてということになる.生命のしくみには相当の代償作用が許されて相互に融通が可能であるが,一度破掟を生じた場合には,代謝異常として症状的にも表現される.すべての疾患には多かれ少なかれ全身的・局所的に代謝異常を伴い,代謝異常そのものが疾患の本態である場合もある.
 外科領域では手術侵襲それ自体が大きな代謝異常を招来するから,いちじるしい代謝異常を克服して外科的治療を行なわねばならないことが日常である.本稿では外科領域で経験される患者を中心に考えてみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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