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外科の焦点
臓器移植の問題点
著者: 稲生綱政1
所属機関: 1東京大学医学部第二外科
ページ範囲:P.1063 - P.1069
文献購入ページに移動はじめに
虫垂炎に対する虫垂切除手術,胃癌や胃潰瘍に対する胃切除手術など,生体内の罹患臓器を摘除することによつて原病を根治することが今までの外科的治療の原則となつていた.その後,動脈管開存症に対する遮断,心中隔欠損に対する縫合および補填閉鎖など,形成手術も手術治療の重要な部門になつてきた.
ところで,生命維持に不可欠な臓器の機能不全に対して,これを置換しようということは誰しも考えることではあるが,なかなか臨床的に応用することは困難であつた.いうまでもなく,生体の移植免疫反応による移植臓器に対する拒否反応を克服できなかつたからである.そこでまず,臓器移植に関する過去の研究をふり返つてみよう.
虫垂炎に対する虫垂切除手術,胃癌や胃潰瘍に対する胃切除手術など,生体内の罹患臓器を摘除することによつて原病を根治することが今までの外科的治療の原則となつていた.その後,動脈管開存症に対する遮断,心中隔欠損に対する縫合および補填閉鎖など,形成手術も手術治療の重要な部門になつてきた.
ところで,生命維持に不可欠な臓器の機能不全に対して,これを置換しようということは誰しも考えることではあるが,なかなか臨床的に応用することは困難であつた.いうまでもなく,生体の移植免疫反応による移植臓器に対する拒否反応を克服できなかつたからである.そこでまず,臓器移植に関する過去の研究をふり返つてみよう.
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