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文献詳細

雑誌文献

臨床外科22巻8号

1967年08月発行

文献概要

論説

肝内胆石症の外科的治療の検討

著者: 志村秀彦1

所属機関: 1九州大学医学部第一外科教室

ページ範囲:P.1133 - P.1143

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はじめに
 肝内胆石症に対する治療は,現在,最も問題とされている領域である.その成因がきわめて複雑なため,肝外胆石のごとく一回の手術で完全にこれを除去し,結石の再生を予防しえないところに治癒困難な原因がある.しかし,肝内胆石の分類でも挙げたように,原因を徹底的に追求して適切なる治療を行なえば,完治必ずしも不可能ではない.すなわち,まず肝内結石の原因が寄生虫によるものか,感染によるものか,あるいは胆管の形態的異常によるものか,つきとめる必要がある.十二指腸液検査で寄生虫あるいは細菌感染が明らかとなれば,もちろん駆虫あるいは抗生剤投与が必要となろう.次いで肝内結石を徹底的に除去し,もし肝内胆管に形態的異常があれば,胆汁の通流を容易ならしめるごとき外科的処置が必要である.
 これが肝内結石治療の原則であるが,以下具体的に治療法の概要についてのべてみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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