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論説
消化性潰瘍469例についてのアンケートによる術後遠隔成績
著者: 白鳥常男1 塚本長1 菅原俠治1 黒田俊1 関根毅1 岡林敏彦1 長岡謙1
所属機関: 1東北大学医学部槇外科教室
ページ範囲:P.1145 - P.1152
文献購入ページに移動消化性潰瘍に対する外科的療法としては,従来,広範囲胃切除術が主体となり,外科的療法の目的である根治性の面では,ほぼ満足すべき結果が得られている.しかし術後機能の面からみた場合,術後になお愁訴が残り,ダンピング症候群をはじめとする無胃性貧血,消化吸収障害,逆流性食道炎,輸入脚症候群などの胃切除後症候群のため,日常生活を快適に営むことのできないものもみうけられる.このため,近年,胃切除後症候群の原因,病態,治療に関する報告も多く,論義が盛んであるが,なお問題の解決には困難な面が残されており,これらに対するいつそうの検討と究明が要請される.
今回,われわれは,昭和16年1月から40年12月までの25年間に教室で手術した消化性潰瘍1210例にアンケートを送り,返事をもらつた生存例469例について,アンケートによる術後遠隔成績の調査を試みたので,その成績を中心に消化性潰瘍の統計的事項および遠隔成績よりみた胃切除後愁訴の発現頻度などに関し大要を述べてみたい.
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