icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科22巻9号

1967年09月発行

文献概要

特集 甲状腺疾患の問題点

甲状腺癌の治療および治療成績

著者: 野口秋人1 野口志郎1

所属機関: 1野口病院

ページ範囲:P.1241 - P.1246

文献購入ページに移動
はじめに
 甲状腺癌は大別すれば,比較的予後の良好な腺癌と予後の非常に悪い未分化癌とに分けて考えることができる.腺癌はどちらかといえば若年者に多く,未分化癌は老人に多い.わが国では,未分化癌は比較的少なく,腺癌が圧倒的に多いので,甲状腺癌は予後の良好な癌であるといつてもいいすぎではない.また腺癌では,多かれ,少なかれホルモン依存性,すなわち癌の成長がTSHによる刺激に依存していると考えられる点もあり,このことが甲状腺癌の対策を外少複雑にしている.癌であればどんな犠牲を払つても徹底的に広範な手術をしなければならないという考え方が一概に受け入れられない由縁である.
 甲状腺癌の性質については著者ら1)の最近の綜説を参照されたい.なお本誌の性質上ここでは手術および補助的療法の一つであるホルモン療法についてのべ,放射性ヨード療法やテレコバルト外部照射についてはふれない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?