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文献詳細

雑誌文献

臨床外科22巻9号

1967年09月発行

外国文献

熱傷昏睡,他

ページ範囲:P.1298 - P.1301

文献概要

 熱傷に伴う精神神経症状は福田先生の宿題報告「熱傷」にも見られるが,Sevittの"Burn"(ButterworthCo.,1957)はburn toxemiaがその原因であろうとしている.Harbauer(DMW 88:1281,1963)は脳の虚血を原因として考えている.Haynes(J.Trauma 7:464,1967)は重症熱傷後の昏睡10例の自験を報じている.Ⅱ-Ⅲ度熱傷,面積21〜54%,受傷より9〜23日に,多くは創感染著明,血液培養陽性化と共に,昏睡症候群があらわれた.最も高率に証明されたのはPseudomonasaerg.,kreb.aerob.も多い.溶レン菌は多からず症状は限局性の中枢変化というより,diffuse.瞳孔反射あるも鈍,眼球divergence,眼振もしばしば.腱反射低下,アタキシー,発語障害多し.EEGは各例共通にδ波diffuse, grade 11でtoxic metabolic encephalopathyに一致す.皮膚を移植し着床すると,これらの昏睡症状が急に軽快した点が,共通の,興味ぶかい特色であった.死亡3例,その脳は形態学的に一定の変化なし.回復した7例は何れも遺残症状なし.以上の所見から熱傷昏睡は感染,sepsisにもとつくのであろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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