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外科の焦点
外科における水分電解質異常の治療
著者: 砂田輝武1 志水浩1
所属機関: 1岡山大学医学部砂田外科教室
ページ範囲:P.13 - P.23
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水分電解質異常の治療は近年各科領域でめざましい進歩をとげ,10数年前の「脱水があるようだからブドウ糖液でもリンゲル液でもよいから1Lほど輸液しておこう」といつた考えは,今日の治療法からみるとまつたく昔日の感がある.これは体液代謝の異常に目を向けその基礎的事項を解決した先人の業績であり,その臨床面への応用が今日不可欠の治療法となつて外科手術の進歩に寄与している.加うるに治療面では数十種類におよぶ電解質液,利尿剤,THAMなどが開発され,さて治療ということになるとその選択にとまどうほどである.さらに最近,Volémetron, Autoanaly-ser, Osmometer,I.L. meter, Astrup MicroEquipmentなどが出現し,これまで多大の労苦と時間を費した検査が簡単かつ迅速にできるようになつて,諸検査成績が臨床面へ直結し,より正確な診断と新しい治療法の確立に貢献しつつある.
われわれは水分電解質の諸問題,輸液についてしばしば論じてきたが1)-7),その後かなり様子が変つてきている点もあるので,水分電解質異常の治療をのべつつ最近の動向についてもふれてみたい.
水分電解質異常の治療は近年各科領域でめざましい進歩をとげ,10数年前の「脱水があるようだからブドウ糖液でもリンゲル液でもよいから1Lほど輸液しておこう」といつた考えは,今日の治療法からみるとまつたく昔日の感がある.これは体液代謝の異常に目を向けその基礎的事項を解決した先人の業績であり,その臨床面への応用が今日不可欠の治療法となつて外科手術の進歩に寄与している.加うるに治療面では数十種類におよぶ電解質液,利尿剤,THAMなどが開発され,さて治療ということになるとその選択にとまどうほどである.さらに最近,Volémetron, Autoanaly-ser, Osmometer,I.L. meter, Astrup MicroEquipmentなどが出現し,これまで多大の労苦と時間を費した検査が簡単かつ迅速にできるようになつて,諸検査成績が臨床面へ直結し,より正確な診断と新しい治療法の確立に貢献しつつある.
われわれは水分電解質の諸問題,輸液についてしばしば論じてきたが1)-7),その後かなり様子が変つてきている点もあるので,水分電解質異常の治療をのべつつ最近の動向についてもふれてみたい.
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