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文献詳細

雑誌文献

臨床外科23巻1号

1968年01月発行

文献概要

特集 初療の要点

腹痛

著者: 飯塚積1

所属機関: 1東京都済生会中央病院外科

ページ範囲:P.34 - P.38

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はじめに
 種々の腹部疾患で腹痛を伴わないものはないといつてもよいほど,腹痛は共通の症状であり,しかもこの腹痛という感覚は本態的な自己防衛の表現であり,疾病の存在を知らせる貴重なシグナルでもある.しかしながら,あまりにも普遍的であるためか,医師としては一応の手がかりにはしても,ともするとその疼痛を詳細に分析することを忘れる傾向にある.
 さて腹部の激痛を主訴とした腹部の急性疾患を,急性腹症または急性腹部症(acute abdomen)と呼んでおり,治療上の実用的な用語として好んで用いられている.このacute abdomenには症状がそろうまでゆつくり待つて診断を下す余裕がなく,急いで開腹すべき疾患群であるという意味をももたせていることは衆知のとおりである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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