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文献詳細

雑誌文献

臨床外科23巻1号

1968年01月発行

文献概要

特集 初療の要点

吐血,下血

著者: 戸部隆吉12

所属機関: 1日本バプテスト病院外科 2京都大学第2外科

ページ範囲:P.39 - P.44

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はじめに
 吐血および下血に対する初療の要点は,原因のいかんにかかわらずまず失血に対する救急処置を行ない,出血量および患者の状態を把握し,同時に出血部位を診断し,外科的治療すなわち開腹手術を必要とするか否かを判断し,手術を必要とするものには時期を失せず救急手術を行なうことにある.特に私達が注意しなければならないことは,開腹手術を行なつても出血部位の切除が,胃潰瘍のように根治的な意味をもつ切除可能な部位からの出血と,食道静脈瘤破裂のように救急時期に根治手術を行ない得ないまたは根治手術そのものにも問題点の残されている部位からの出血は,開腹術前にできる限り予知しなければならない.さらに,開腹手術を行なつても,視診および触診では全く所見が認められず,いわゆるblindgastrectomy5)32)の可否について直面することもまた,臨床外科医には少なからずある.吐血および下血に対する治療の方針は,緊急を要するのでこれらのことも最初から考慮されなければならず,要点的に述べよう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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