文献詳細
外科の焦点
外傷のIntensive therapy
著者: 杉本侃1 桂田菊嗣1 太田宗夫1 田中範明1 北脇哲男1 浜中雄二1 美馬昂1
所属機関: 1大阪大学医学部特殊急救部
ページ範囲:P.1417 - P.1426
文献概要
外傷患者は,局所の変化のほか,呼吸磯能,循環動態,代謝等全身的に大きな変化をうけている.局所の治療は,もとより重要であるがそこに目をうばわれている間に患者の全身状態は急速に変化してゆく.しかもこれら全身状態の変化は,頭部外傷,胸部外傷,四肢の外傷等部位によつて特徴があり,はこびこまれた時,何をまず行なうか若干の相違がある.わたくしどもは,昭和42年8月特殊救急部開設以来,重度外傷患者を対象として収容し治療にあたつてきたので,これらの単独重症例のほか,多発性損傷も多くあり,常に十分の検査を行なつて全身状態を把握する必要があつた.現在の医療は,各科専門にわたり縦割り型で横の連絡に乏しいため,わたくしどもは重度外傷についてはこの方式をあらため,患者を中心として必要な専門家が集つて治療にあたり,そのための検査機械,治療機械も1カ所に集中している.看護にあたるナースも特別に訓練しこれにあてている.このように局所的な治療のみならず全身的な管理に重点をおくのがわたくしどもの重度外傷にたいするIntensive therapyであり,以下記載するデーターは,その中からできあがつたものである.
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