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外科の焦点
癌の手術療法と化学療法の併用
著者: 中里博昭1
所属機関: 1愛知がんセンター外科第3部
ページ範囲:P.1561 - P.1570
文献購入ページに移動はじめに
癌の手術と化学療法との併用に関する研究は,これまでに多くの研究者らにより検討が加えられているが,いまだ決定的な成績は出されていない.1951年,今永1)はnitrogen mustard N-oxide(nitromin)を用いて,制癌剤の臨床効果について検討を行なつた.そのなかで,制癌剤は使用方法の工夫によつて,より多くの効果が期待できる場合が2つあり,その第1は制癌剤を選択的に動脈内に注入する場合で,この際は副作用も比較的少なくて効果的であり,第2は手術と制癌剤との併用の場合で,この際は癌の再発防止に役立つであろうと述べている.
その後17年を経過した今日でも,その考えには変りなく,前者は大量局所動脈内注入法として,原発あるいは転移性の肝癌をはじめ種々の局所の腫瘍に対して効果的であり,また後者は欧米の研究班はもとより,本邦においても研究班が結成されている現状である.
癌の手術と化学療法との併用に関する研究は,これまでに多くの研究者らにより検討が加えられているが,いまだ決定的な成績は出されていない.1951年,今永1)はnitrogen mustard N-oxide(nitromin)を用いて,制癌剤の臨床効果について検討を行なつた.そのなかで,制癌剤は使用方法の工夫によつて,より多くの効果が期待できる場合が2つあり,その第1は制癌剤を選択的に動脈内に注入する場合で,この際は副作用も比較的少なくて効果的であり,第2は手術と制癌剤との併用の場合で,この際は癌の再発防止に役立つであろうと述べている.
その後17年を経過した今日でも,その考えには変りなく,前者は大量局所動脈内注入法として,原発あるいは転移性の肝癌をはじめ種々の局所の腫瘍に対して効果的であり,また後者は欧米の研究班はもとより,本邦においても研究班が結成されている現状である.
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