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論説
局所灌流療法における効果に関与する条件の検討
著者: 赤木正信1 藤田馨1 河津昌幸1 古閑博治1 由布雅夫1 宮本吉辰1 原武司1
所属機関: 1熊本大学医学部第2外科学教室
ページ範囲:P.1627 - P.1631
文献購入ページに移動抗癌剤による腫瘍局所灌流療法は,腫瘍発生領域に高濃度かつ大量の抗癌剤を投与することにより,抗癌効果を増大し,大量の抗癌剤投与による全身性副作用を防止しようとするものであることは周知の通りである.これらに関する基礎的ならびに臨床的研究については,短時日のうちに広範な業績が報告されている.
この理論的には誠にすぐれた,しかもかなりの効果が予想される方法ではあるが,現実は必ずしもそうではない.その第1の理由は,何といつても既存抗癌剤の抗腫瘍効果における微力さであり,その有効量と中毒量との差異の小さいことにある.第2の理由として,全身循環からの腫瘍局所の完全遮断が達成されがたいという問題点がある.このような現実から,腫瘍灌流の効果には,当初の予想に反して相当の限度があることが明らかになつてきた.
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